紅茶を忘れていた

by 牛尾 千聖

私は紅茶が好きだったのにコーヒーばかり飲んでいるじゃないか、と最近気づいた。なぜ紅茶が好きなのかは全くわからない。思い当たるとすれば、朝食がパンと紅茶だったから、か。紅茶といっても麦茶のように大量のお湯に煮出したものだから全くおしゃれじゃないけどパンによく合うから好きだった。初めてペットボトルの「午後の紅茶」を飲んだ時「まずっ」と思った記憶がある。でも今は問題なく飲める。変わっていく味覚が悲しいと思うのは両親に会った時だ。味覚が変わっていくのがばれたくない。でも、案外親は私の好き嫌いを忘れている。

ビールが飲めなかった私は、飲めるようになっても実家では飲まなかった。というかこの家で飲む気にはなれなかった。でも去年1か月実家にいることになって、その間に飲んでみた。飲む気になれなかったのは親の反応が気になったからだ。それを見たお父さんは最初びっくりしていたけど飲んでるのが嬉しそうだった。両親は私が元気でも元気でなくても太っても痩せてもどうしようもなくても受け入れてくれるんだったと、こんな小さなことだけど思い出した。子どものままでいたいと思う反面、両親と家族とあとどれだけ過ごせれるのかとどうしようもないことでボケーとすることが増えた。おばあちゃんが「生きてるだけでオッケー」と言っていた。まあそんなもんだな、と思った。おばあちゃんの説得力にはかなわない。

時々だが、いろんな人から手のひらの黄色さを心配される。黄だん?かと言われるが目の白目も濁っていない。みかんの食べ過ぎか、とも言われるが今食べてない。私は野菜ジュースとトマトが原因じゃないかと睨んでいる、だが、絶対にやめねええ!好きだから!

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