兄弟かー

by 牛尾 千聖

駅から帰宅するときに、自転車に乗った男の子と女の子が通り過ぎて、角にさしかかったところで女の子が何かにぶつかって転けた。
二人は兄弟のようで、泣いてる女の子を男の子が心配しつつ、我慢して帰ろうと促していた。
転げたせいで女の子の自転車がひっくりかえっていて、私が直してあげると兄であるその男の子が大人のような仕草で私に謝ってきた。
もう家ちかくだから、ね、と妹をなだめても泣き止まず、心配そうな兄は妹の自転車を私から「ありがとうございます!」とひきとって前に進もうとしたけど、自分の自転車もあるのに気づいて一瞬困っていた。
私が女の子の自転車を一緒に家までおしてあげるよ、って言ったら「いえいえ、すぐちかくなんですみません、」とまた大人のような仕草で言う。その間にも妹号泣。
いいよ、持ってくよというと、「すみません、、」と兄がいう。道中、兄は妹を心配しつつ、私への感謝を感じなさいよ!的なことを妹に言う。
家に着いたら、「ありがとうございました、」と営業のサラリーマンのように板に着いた感じで言った。
あの兄も充分子どもなのに、下に兄弟がいるとあんなにもしっかりするんだなぁと思った。下に兄弟がいるとあんなに優しく、面倒をみれるんだなあ。自分がしっかりするんだという意気込みをありありと感じた。
私は末っ子だからそんな経験はなかった。
だから今、年下で迷ったり悩んだりしてるひとにどれだけあんな風に優しくできるんだろうかなあと、頼られたりしなきゃダメだよなあと、、バイト終わりにスーパーで買った500mlの缶ビールを入れたリュックを背負いながら、私は思ったね。

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