他人の家は建ち続ける

by 牛尾 千聖

私が駅まで歩く道のりに新しく家が建つ建つ、、絶えずどこかが工事中だ。いいなあ、羨ましいなあとみつめるうちに変な愛着が湧いてくる。間取りやらも勝手に想像したり、新調する家具を考えたりと好き勝手妄想する。でも最後はローンのシュミレーションをして凹んで妄想は終わる。
私の家の周辺はアパートより戸建てが多い。近くのお家の窓はまだメリークリスマスの飾り付けがされたままだ。窓に透明のゼリーみたいなシールで、ツリーやら杖やら文字がまだ貼り付いている。外からは文字の配列は逆さにみえる。いつこのシールの飾り付けが剥がされるかが私の今の楽しみですねん。

弧を描くハトたち