私は乾燥肌で冬場になると大変だ。かゆい。
毎年皮膚科の厄介になっているけれど今年は何が何でも行きたくないと思い、何とか家のクリームなどでしのいでいる。
が、やはりかゆい。
そんな時イライラを倍増させるのが洋服のタグだ。首筋あたりについているタグ。あれを気にしだすといてもたってもいられない。皆さんにも少なからず経験があるであろう「タグ問題」だ。
寝巻きに使っているロングTシャツのタグがうっとおしくて引きちぎってやった。「前々からうっとおしかったんだ…」ハサミなど使わず怒りに任せて手で引きちぎったら生地に穴が空いた。こりゃいかんと思ったけれど、タグが取れてちょうどいい感じなのでそのまま着て寝た。次の日目覚めて、よくよく考えてみるとそれは私の服ではない。夫の服だ。大きいサイズがいいと勝手に人の服を寝巻き代わりにしてたことを思い出した。すまなかった。
はたまた、別の服を着ている時今度は左脇についているタグが気になった。タグを目の前にするとなぜあんなに見境なくなるのかわからんが「てめえこのやろう」とばかり引きちぎった。引きちぎる時なぜか「いける」と思うのだ、うまく引きちぎれると。案の定、穴というかスリットのように生地が派手に引き裂かれた。が、問題なく着用している。タグがうっとおしかったんだ。
「ていねいな暮らし」というのが流行っている。私もブームに乗りたいと思い雑誌やら読み、もの思いにふけった。
が、ふと気づいた。タグを引きちぎる奴に「ていねいな暮らし」はできない、「ていねいな暮らし」の入り口にも立てないのではないかと。タグを引きちぎるのは私の本性というか本能でどうしてもその衝動は止められない。つまり「ていねいな暮らし」の資格はない。「ていねいな暮らし」の人は歯でタグを引きちぎろうとか、穴の空いた服を着ていないだろうしな。「ていねいな暮らし」への憧れは尽きないが、私は早々にそれを諦めた。